2015年3月11日水曜日

沼津信金 防災備蓄水 6万本保管へ

沼津信金 防災備蓄水 6万本保管へ
 非常時 飲料用に提供
平時 イベント配布

 東日本大震災の発生から4年を機に、沼津信用金庫が防災備蓄保存水の備蓄を始めた。大規模災害発生時は近隣住民に飲料水として配布し、平常時はイベントの配布用飲料水として提供して防災意識啓発に活用する。
 防災・減災対策に取り組む上で、地域に貢献する手段として企画した。保存水は500㍉㍑入りペットボトルで、6年間保存可能。天城山系で採水された軟水を高温充てんした。
 現在は15千本を製造し、1年間かけて6万本を備蓄する体制を築く。御殿場市の御殿場事務所で保管する。2㍑入りの保存水の保管も検討している。イベントなどで活用し、使った分を補充しながら非常時に備える方針。
 「ぬましんオリジナルペットボトル」として、ラベルは同信用金庫のイメージキャラクターを手掛ける田村映二さんがデザインした。同信用金庫の担当者は「水を通じて住民の防災意識の向上につなげるとともに、信用金庫の取り組みを知ってほしい」と話した。

(静新平成27311日朝刊)

2015年3月1日日曜日

商店街に思う 阿部園子平成27年3月1日号「言いたいほうだい」

 商店街に思う 阿部園子
 二月十日付の本紙「市街地活性化の実践的取り組みおまち彩生研究会が報告会」を読んだ。それを機に、と言ったら何だが、沼津に来て五年目のよそ者である私が、沼津駅周辺の商店街について日頃どのように感じているかを、この際、思い切って伝えさせてもらいたい。
 まず、記事ではイベントの話題ばかりが気になった。そのことから報告会で、イベントのほかにも接客の話題が出なかったのか?と感じた。なぜなら商店街での接客の多くは、決して良いものとは思えないからである。
 たとえば、私が何度も訪れる、とある店では「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」はあるけれど、店員から「寒いですね」などの気の利いたあいさつがないのは寂しい。私の顔だって覚えているでしょうに。
 別の店の店員のことだが、先日、自分のそばにある台の上にもたれかかり、うわの空で「ありがとつございました」と言ったのには閉口した。「何よ、その態度は!」の言葉が、私の喉の奥に引っかかった。自分の店の品物を買った消費者の喜ぶ笑顔を想像できないから、そのような行動が取れるのだろうか。
 ところで、これかちお伝えすることは、私が小さい頃からずっとお世話になってきた故郷のデパートでの話である。これは、自分の故郷だから肩を持つという意味ではない。
 昨年の暮れ、夫の冬用のジャケットを見に、そのデパートの売り場を訪れた。私と目が合うなりすぐに店員さんがそばに来て、「いらっしゃいませ!」と、さわやかな笑顔であいさつ。
 そして、夫が欲しいと思うジャケットの特徴と、同じ売り場内にある他の服を合わせながらコーディネートの仕方まで分かりやすく丁寧に教えてくれた。それは気さくでありながら、品位あふれる接客だった。
 それから夫が試着したところ、ちょうどピッタリだったので、いただくことに。会計のあとに品物の入った紙袋を受け取り、売り場を離れた。そこからだった。夫と私の姿が見えなくなるまで、売り場の前の通路に立ちほほ笑みながら、ずっとお辞儀をしてくれた店員さんの姿を、今も忘れない。
 話が長くなったが、何も商店街の皆さんに、「デパートと同じ接客をしてください」というのではない。気持ちの良い接客ひとつで「また、こちらで買い物をしたい」店かどうかが決まるのだ。それと、もちろんイベント自体を否定するものではないし、時々ならいいと思う。しかし、それが一番であってはならない。一番大事なのは「普段の接客」ではないのか。
 最後に、商店街の皆さんには「消費者が喜ぶ商売とは何か?」についてこれから、ぜひとも熟考し、行動に移してもらいたいものである。(本郷町)

(沼朝平成2731日「言いたいほうだい」)