2020年2月7日金曜日

沼津信用金庫ストリートギセラリー第385回 武藤セイ子油彩展 ー地元にこだわり、80年の画業をふりかえるー







武藤セイ子油彩展
沼津信用金庫ストリートギセラリー第385回
武藤セイ子油彩展 ー地元にこだわり、80年の画業をふりかえるー
令和2年2月1日(土))~令和2年2月27日(木)
いよいよ東京オリンピックの開催を迎える本年は、沼津信用金庫創立70周年の年でもあります。この記念すべき年を彩る企画展としまして、グループ風土の代表的な油彩画家、武藤セイ子画伯の作品展を開催いたします。画伯は沼津の志多町(現:大手町)に生まれ、沼津高女(現:沼津西高等学校)に進学し、現在に到るまで沼津を拠点として画家活動と美術教育に尽力し続け、多大な実績を残しました。戦後早期から美術教育を通じて地元の画業を志す人たちを教え導いてきた功績は大きく、その80年の長期に渡る活動をここで振り返ることは意義深いことと言えるでしょう。沼津美術界の原点ともいえる作品を、是非じっくりとご覧ください。皆様の御来廊お待ち申し上げます。
1929 沼津市志多町(現:大手町)にて出生
1974 沼津高女(現:沼津西高等学校)卒業
油彩を学び、在学中に静流会に入会
美大進学を勧められるも地元にて学ぶ
傍ら、多摩美術大学版画研究室に通う
1948~85 市内中学校美術教師
1960 創造美術展出品金賞
1960-65県美術展奨励賞
1968-74沼津市展審査員
1985-88沼津市主催スケッチ講座講師
1989- 絵画制作グループ「えがこう会・つくしの会」講師
2005 沼津市庄司美術館・モンミュゼ沼津にて個展
その他 伊豆美術展他、多数美術展にて受賞
ギャラリーほさか(沼津)にて計10回の個展
現在 グループ風土会貝、その中核として地元の
美術界での指導、画業に尽くす
(武藤セイ子油彩展パンフレット)




画業80年を振り返る
ストリートギャラリー
武藤セイ子さん油彩展


 ぬましんストリートギャラリーの企画展で洋画家武藤セイ子さん(東間門)の油彩展が27日まで、大手町の沼津信用金庫本店の同ギャラリーで開かれている。
 1929年生まれの武藤さんは、沼津高女(現・沼津西高)在学中に総合美術団体静流会に入会。卒業後は多摩美術大学版画研究室に通い、48年から85年まで市内の中学校で美術教諭を務めた。
 幼稚園の頃から絵を描くのが好きで、当時から今に至るまで描くのは女性がほとんど。市内を創作場所として風景と女性を中心に描き、市内で開く個展やグループ展で作品を発表。現在、グループ風土に所属し、絵画制作グループ「えがこう会」と「つくしの会」で指導も行う。
 同展では、画業80年を振り返る油彩画約20点を展示。沼津高女を卒業して油絵を描き始めたばかりの頃に描いた20号の「母樽井と志」は、「着物を着て縫物をしている母がモデルで、母は描きやすいように、と毎日同じ着物を着て、同じ姿勢で手を止めていてくれた」と思い出を語る。
中学校教諭の時代には夏休みなどを利用して中国やミャンマーを旅行して異国情緒に浸り、チャイナドレスを着た中国人女性などを描いた。ミャンマーの市場を題材にした作品は、「アヒルが道路にいっぱいいて、たくさんの人達が歩き、素朴な現地の人達の日常を描きたかった」ものだと言う。
 女性の美しさを描いた裸婦、祭りの後の一抹の寂しさを少年の後ろ姿で表し、「美しく雅やかで衝撃を受けた」と言う越中おわら節の踊り子を描いた作品などが並ぶ。背景には茶系の中間色を使い、距離や時間、具象と抽象の間に広がる世界を人物に焦点を当てながら幻想的に描き出している。
 武藤さんの沼津高女.時代に一級上だった澤初音さんが会場を訪れ、「絵が禁止されるような時代だったが絵を習う時間は週に1時間あり、武藤さんは昔から絵がうまかった」と話していた。
 夜間は10時までライトアップされ、鑑賞できる。
【沼朝令和2年2月6日号】

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