2020年7月15日水曜日

ぬましんストリートギャラリー第390回「山川茂師弟展」



野獣派師弟による作品展
31日までストリートギャラリー
 野獣派(フォーヴィズム)の画家として知られた故山川茂氏と、内弟子で下田市出身の洋画家、現在は錦町に住む北見美佳さんの「師弟作品展」が31日まで大手町のぬましんストリートギャラリーで開かれている。
 山川氏は全国公募展で入選や入賞を重ね、1972年、47歳で渡仏。感覚を重視し原色を多用した強烈な色彩と激しいタッチから「野獣派」と呼ばれ、20世紀初頭にフランスで始まった美術運動の影響を受け、21年間、パリを拠点に創作を続けて作品を発表。帰国後は、伊東市の自宅アトリエで内弟子を取って指導した。
 北見さんは2011年に弟子入りした初の女性内弟子で、山川氏夫妻や兄弟子と生活を共にしながら油彩画を基礎から学び、翌12年には初個展を開催。公募展で入選や入賞を重ねて風景画家として活動している。
 15年、90歳で亡くなった山川氏を看取った後、画家として独立。沼津市内の元社交ダンスホールをリノベーションしてアトリエを造り、市内を拠点に創作活動を行う。
 今回、同展開催の打診を受け、北見さんが山川氏の家族が所有する作品の中から、在仏した21年間に描いた作品を選んで展示。昨年の火災で一部が焼失したパリのノートルダム大聖堂を描いた50号をはじめ、パリの歴史を感じさせる街角を描いた風景画が中心で、山川氏の自画像や人物画も並ぶ。
 北見さんは、刀を振るようにキャンバスに向かってパレットナイフを振るう師匠、山川氏の姿を描いた『風を切れ」と題した新作と、港大橋から眺める風景、種子島で描いた作品など4点を出展。
 北見さんは「普段は絵を見ない人にもフォーヴィズムの良さを知ってほしい。師匠の絵からは、その場の空気感が伝わり、現在はコロナ禍で海外旅行ができない中、作品からパリの風と匂いを感じてもらえたら」と話している。
 午後10時までライトアップしているが、「夜間にライトアップされた作品の色彩を、ぜひ見てもらいたい」としている。
【沼朝令和2年7月14日(火)号】

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