2013年8月24日土曜日

旧西武新館跡の計画案浮上(沼朝平成25年8月24日記事)


娯楽からカルチャー、飲食、診療施設
 9月に入って正式発表か 本館跡は近く解体工事へ
 今年一月末で営業を終了し閉店した西武百貨店沼津店。伊豆箱根鉄道が所有する旧本館については解体することが決まっていて、九月の解体着工へ準備が進められている。この一方、地権者が多く、新たな業態での再利用に向けて模索が続けられてきた旧新館については、「パチンコ店が入るようだ」との話が伝わっていたが、アミューズメント事業などを手掛ける会社による具体的な計画案が浮上した。既に市や沼津商工会議所にも同社による説明が行われているという。
 この会社は浜松市に本社を置き、東京の有楽町に東京本部を持つ。アミューズメントでは主にパチンコホールを経営している。
 計画案では地下一階から二階までをパチンコ店とし、パチンコ台千台を収容。三階は飲食フロアで、市内の業者を誘致するため、同社が関係方面に働き掛けているという。
 また、四階は音楽教室やスタジオ、カラオケルーム、五階にフィットネスやヨガ、ピラティス、六階はクリニックとヒーリング、七階にカルチャースクール、文化交流サロン、八階は専門店の飲食(すし、焼肉、バー)などで構成。屋上はビアガーデンなどにも使える屋上ガーデンとすることが考えられているようだ=図参照。
 市商工振興課の真野正実課長は「地権者から正式な話を聴いていないから私達の方から説明することはできない」とし、アミューズメント事業を行う会社が市役所を訪れたか否か、否定も肯定もしていない。
 これに対して商工会議所の木戸英寿専務理事は、同社の社員が訪れて説明を受けたことを話した上で、「(西武跡地に)パチンコ店が出来るという噂が飛び交っているから、『地元にきちんと説明した方がいいのではないか』とアドバイスした」という。
 旧新館が建つ大手町の商店街振興組合の松田和孝理事長は「(西武沼津店跡が)閉まっているより開いている方がいい。それ(アミューズメント施設の入居)によって人が集まってくれれば喜ばしい。シニア層が楽しめる所がないので、そうした場所になれば」と、今回の計画を概ね歓迎する意向を示している。
 西武百貨店時代、旧新館については西武側が、十数人いる地権者一人一人と契約を結ぶという形態で賃貸借してきた。このため、権利者同士の横のつながりや権利者が必要な話し合いをすることにおいては難しい側面もあった。
 したがって、西武閉店後、テナントとして入りたいという希望があったとしても、地権者全員に話をしなければならず、一部の反対によって話がまとまらないという問題があった。
 そこで市は、この問題を解消するため、管理組合の必要性とメリット、デメリットなどの講演会や勉強会を昨年十一月から今年一月まで計四回開くなど地権者を支援。
 これを受けて地権者は三月、管理組合としての体制を整え、窓口を一本化した上で対応。テナント誘致について商業コンサルタント会社に依頼し旧新館再生への道を探っていたが、思うような成果を得られないまま、今回の計画案の別会社と直接交渉を持つようになったようだ。
 市政策企画課の後藤克裕課長は、これまでの経緯全般について「建物一棟を丸々借りてくれる会社が決まったという話は、なんとなく聞いている。巷で言われているパチンコ店が入るということも聞いているが、今の段階(二十二日現在)で地権者からの正式な話はない」としている。
 今回の計画案を提示したアミューズメント会社は「九月の第一週ぐらいには正式な発表をしたいと考えているが、それまではコメントできない」としている。
《沼朝平成25年8月24日(土)号》

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