2014年2月10日月曜日

西武閉店1年 転換期 商都沼津:靜新囲み記事

西武閉店1年 転換期 商都沼津
 「大市場」百貨店が攻勢
 新館跡地4月衣替え■街づくり模索

 商都沼津のシンボル的存在だった西武沼津店(沼津市大手町)の閉店から1年が経過した。跡地で新たなスタートに向けた準備が進む一方で、県内百貨店は西武なき後の東部地区の顧客を狙って攻勢をかける。地元は中心街の転換期に直面し、今後の街づくりを模索している。
 不動産・商業施設の管理運営をする浜友商事(浜松市)は、跡地の新館を複合商業施設として衣替えし、4月上旬に開店する予定だ。低層階は飲食とアミューズメント関連施設が入る。中高層階については入居テナントの調整を進めている。同社は「新しい沼津の顔にふさわしい施設にしていく」と力を込める。
 本館は所有する伊豆箱根鉄道が3月末に解体工事を終わらせ、今夏から駅前広場と事業用賃貸物件として暫定的にオープンする。杉山正浩取締役上席執行役員営業部長は「にぎわい創出の担い手に加わりたい」と話す。
 西武閉店後、静岡伊勢丹、松坂屋静岡店とも自社のカード会員数を伸ばしている。沼津市内に事務所を常設した静岡伊勢丹は「ショップ出店を視野に、お客さまと継続的に接点が持てる態勢を整える」(担当者)。同市内で各種催事などを通じて認知度向上に努める松坂屋静岡店は「東部が大きな市場であることは確か」として固定客の獲得を図る。
 そごう・西武も市内に外商を置き、中元や歳暮のギフトセンターの開催や特別販売会を実施した。今後もニーズと時節に合わせた商品展開を目指す。
 7月、沼津駅北口に総合コンベンション施設「プラサヴェルデ」が全面開業する。市商店街連盟の芦川勝年会長は「西武のシャッター状態が続かずに新しい形になることはプラス。若者も来る場所にしたい」と意気込む。
 西武閉店後、郊外への大型商業施設建設の動きが表面化した。沼津商工会議所の市川厚会頭は「西武が去った後、中心街の集客力が落ちた」と危機感を口にし、「今後の街づくりを若者も交えて真剣に考えなければならない」と話す。

《靜新平成26210()朝刊》

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